みなさん、こんにちは。
アラサーキャリア開発の専門家、
元気応援団の内村広樹です。
キャリアデザインにおいての
有名な考え方に
「筏下りと山登りキャリア」
というものがあります。
これは、1999年から2020年まで
リクルートワークス研究所の所長を歴任
させた大久保幸夫さんが提唱されたもので
■キャリアを歩み始めた当初は
「筏下り」のように、とにかく目の前の
急流と向き合い、自分の持つ力を振り
絞って激流や岩場を乗り越える
(=若手のうちは目の前の仕事に全力投球)
■その後経験をある程度積んだ30代後半を
目途に、キャリア開発を「山登り」を
するが如く、登りたい山を決め、
その頂に向けまっすぐ進む
(=中堅以降はゴールを定め、突き進む)
「キャリアデザインには年齢や職務経験に
応じたモデルがある」という有名な考え方。
多くの日本企業にもしっくりくるモデル
であると言えるのではないでしょうか。
私自身も新卒(23歳)でリクルートの代理店に
入社し、求人広告の営業を12年間(35歳まで)
行ってきました。
■筏下り型キャリアの期間=営業職として全力投球
その後、「研修講師」という仕事に出会い、
35歳で研修業界に転職、この世界で生きて
いこうと決め、現在その道を歩んでいます。
■山登り型キャリアの期間=研修講師として成長中
今年40歳になり山登りを続けている最中ですが、
30代を振り返ってみるとこの考えに共感しています。
一方、このコラムのメイン対象である
「30歳前後」
というのは、
「筏下り」も最終コーナーに差し掛かり、
そろろろ「登りたい山」を決める移行期間
であるとも言えるのではないでしょうか。
言い換えれば、
急に筏下りから山登りに
なるわけではないということ
私なりのイメージですと、
「筏下りと山登り」という2つの
ステージではなく
(1)「筏で激流を下る期間」
(2)「海に出て航海する期間」
(3)「登りたい山を決め進む期間」
という3つのステージが存在し、
30歳前後のビジネスパーソンは
上記(2)に相当するというもの。
筏を使って激流を下り終えると
やがて海にたどり着き、
そこから航海を続け、
登りたい山の一番近くにある港に向かう
まだ明確に「登りたい山」を
決める必要もないが、
かといって、そのまま流れが
ゆっくりな海にそのまま居続けても
何となく時が過ぎていく・・・
港が見つからず悩む・・・
私も当時そうでしたが、30歳前後の
ビジネスパーソンに置きがちな
「仕事の慣れ」や「将来不安」
がこの状態に近いような気がしています。
そこで提案したいのが
この期間のうちに
「譲れない軸」
を決めるということ。
「軸」というのは、
「判断のよりどころ」になるもの。
「〇〇歳で▲▲というポジションになる」
という明確なものではなく
「家族を優先にしたビジネスキャリアを送りたい」
というやや抽象的なもの。
その「軸」を見極めることで、その後の
キャリア形成がしやすくなると思います。
「筏下りと山登り」というメジャーな理論に
少しのスパイスを加えた新説というか私なりの
見解ですが
よかったら参考にしてみて下さいね。